世田谷区でも定着しつつある区民参加の落葉はき。土日を中心に自宅から行ける範囲には参加してもう5年目になるでしょうか。

落葉はきが必要になるような大きな落葉樹がある街道、お屋敷をたずねるとそこが残したい世田谷の風景であることに気づくと同時に、古いお屋敷、庭園は今後どうなるのだろうと考えずにはいられません。

世田谷区では(他もそうかもしれないが)、古いお屋敷の維持・保存・公開の担当は公園緑地課です。たいていが庭園つきであり、一般財団法人トラストまちづくりに管理を委託していたりします。

 

自分が手入れのボランティア関わっている「こもれびの庭」は昭和初期の洋館・S邸の隣接地。主屋は区の指定文化財なので安心ですが

https://www.city.setagaya.lg.jp/mokuji/bunka/001/004/d00128474.html

 

成城4丁目の落葉はきの集合場所となっている、吉岡隆正の弟子が設計・自邸にしたH邸は、所有者が住んでおらず今後どうなるのか気になるところ。建築関係者がよく写真を撮りに来ており、残して利活用したいところです。成城の崖上下をつなぐ長坂という景色は素晴らしいが急な坂沿いにあり、公共施設というよりは美術館、画廊の雰囲気でしょうか。

 

また、喜多見にある旧造り酒屋の「にごりや」は、先代が集めたジャンルを定めないオブジェ:天狗の面、巨大な草履、エンジェルの彫刻、観音、虎が日本庭園に配置され、池の龍の口からは今も湧水が吐かれていて迷宮のよう。保存樹木のケヤキに囲まれた主屋とともに、このまま保存して長く活用したい。

 

 

その家屋敷に愛着を持った周囲の人々が保存活動を展開し自治体が買い取る例もありますが、解体は免れても利活用できずに空き家のままということもあります。

「歴史ある家屋敷を活用するプロデュースをするので寄付して下さい」という財団もあるようですが、家主さんにとっては先祖代々の資産なので、そう簡単に寄付とはいかない。

 

(あそこは素敵だね、残ってほしいね)と思っているうちに解体されマンションになってしまうお屋敷がなんと多いことでしょう。

 

落葉はきや花植えなどボランティア活動は、面識のなかった家主さんとも触れ合うチャンス。

「今後どうしようか」「こんな風な使い方が出来る」「家主さんにも還元がある」という前向きな話を、区の職員やコーディネーターなども入れて、作業の傍ら展開していけたらいいな思います。開発の一方で、旧市街の面影をいかに残していくか…今後の東京23区の課題となるでしょう。